中原悠司がベッドの中で目を覚ますと、隣にはもう恋人の姿はなかった。壁の時計の針は5時を少し回った所を指していて、朝日を待つ鳥たちが囀り始めている。
中原は男性にしては少し白すぎる足をそっと絨毯の上に下ろし、上質なコットンのパジャマを纏ったしなやかな身体に、薄手のガウンを羽織ると、階下へ降りていった。
キッチンから明かりが漏れていた。
この家のほとんどの部屋は格調高いヨーロピアン調でまとめてあったが、このキッチンだけは別で、ステンレスと光沢のある白いシステムキッチンがシンプルモダンな印象を放っていた。キッチンの主は柏木晃彦で、中原の勤務先の担当顧客であり、今は大事な恋人でもあった。
身近で過ごしてみて初めて知ったのだが、彼の趣味はなんと料理だった。柏木は今、一心不乱にコンロに向かっていた。
長身で均整のとれた体躯を持つ柏木が、ブルーのパジャマの上に白い大きなエプロンをかけているのが微笑ましい。
思わず、ぷぷっと吹き出してしまい、柏木に覗き見がばれてしまった。端正な顔の切れ長の目にじろっと睨まれる。
中原は慌てて柏木の傍へ行くと聞いた。
「今日はお休みだって、おっしゃってませんでしたっけ」
「休みだからだよ。君も今日は休みだろう。たまには二人で、どこかへ出掛けないか」
「……え」
「お弁当持って」
中原の心から、じんわりと喜びが沸いてきた。
2ヶ月ほど前にある事件があって以来、中原は週の半分ほどを柏木邸で過ごす様になっていた。
事件があった当初は、心配する柏木に危うく監禁されるところだったが、少なくとも週の半分は柏木邸で眠ること、警備会社の端末を持つこと、定期的に柏木の携帯に連絡を入れることで、何とか納得してもらい、中原も通常の生活に戻っていた。
しかし何だか心が強くなったようで、痴漢にはきちんと声を上げて拒否の意思表示ができたし、事件の後の好奇に満ちた視線の中でも、毅然とした態度で仕事に取り組むことができた。
それにしても、こうして改めて傍で過ごしてみると、さすが起業家というべきか、柏木のバイタリティは尋常ではなかった。
夜、中原が眠りにつく頃は、必ずまだ書斎で仕事をしていたし、朝は朝で5時には起きてきちんとした和食の朝食を自分で作って摂ると、おそらく社員の誰よりも早く出社していった。さすがに食品の買出しと掃除はメイドサービスを入れていたが、おそらく時間が許せば、家事の全てを完璧にこなしていたに違いない。
そんな慌ただしい生活の中で、中原自身も勤めていることもあって、夜はともかく昼間の時間を二人でゆっくり過ごすことができるのは、今日が初めてかもしれなかった。
どうしよう。凄く嬉しい。
中原は料理を続ける柏木の背中にぺたりと張り付き、後ろから腰に手を回した。柏木の手が中原の手の上に重ねられる。
手のぬくもりから、何も言わなくても心が伝わってくるようだった。
「僕にも何か手伝わせてください」
中原が言うと柏木の手がぴくっと動いた。考え込むようにしばらく動きが止まる。
僕は何かいけないことを言ったのだろうか。
あまりの沈黙の長さに中原が不安になり始めたとき、柏木がくるりと振り向いた。
「手伝うからには、まずエプロンをつけないといけないね」
そして自分のエプロンを脱ぐと、中原に向き直って首を振った。
「その格好じゃ駄目だね」
「……柏木さんもパジャマですけど」
「君にはこっちの方が似合うよ」
言うなり柏木は、中原に飛び掛ってきて、ガウンを剥ぎ取りパジャマを脱がせて下着に手を掛け、あっという間に一糸まとわぬ姿にしてしまった。
「……い、いい、いきなり、なんなんですか」
中原は真っ赤になって、腕で身体を隠してタイル張りの床に蹲った。
柏木は冷静にリモコンを操作してエアコンの温度を上げ、中原の前にばさりと先ほど脱いだエプロンを投げた。
「さ、これをつけてね」
まな板の上の胡瓜が、ごつっとまた斜めに切れた。
「……も、やめ……」
「だめだめ、手伝ってくれるんだろう。ほら、早く、胡瓜切って」
柏木の声は、中原の足の間から聞こえていた。
キッチンの扉に背中を預けて床に座っている柏木の腿をまたいで足を開き、中原は裸に白いエプロン一枚をだけをつけた恥ずかしい姿で立っていた。エプロンの前部は柏木の頭の形に丸く膨らみ、ゆっくり揺れている。
柏木の唇と舌で敏感な先端を集中的に嬲られ、中原は包丁を持つ手をぶるぶると震わせた。すっかり立ち上がった茎から、先走りのしずくが垂れ、柏木のパジャマの胸元にぽつりと丸い染みを作った。
柏木の手がエプロンの中を肌を伝って上ってきて、指が中原の胸部の敏感な粒を押しつぶす。
「……あ、だめっ」
左右同時に摘まんで擦るように弄られ、掌で大きな円を描くように刺激されると、身体の中を熱い波が駆け抜けて、中原は身を捩り呻いた。
「……胡瓜は切れたかい」
「やっ……、も、もう、無理っ……」
「しょうがないな。じゃあその代わりに……」
柏木の手がまな板の上に伸びてきて、まだ切られていない一本の胡瓜を掴んで行った。
「……ひゃっ」
中原は、突然後孔に冷たい感触を感じて身震いした。そのまま、ぐいっと中に押し込まれる。
「な、何、挿れて……」
胡瓜が何かを探すように、グネグネと動かされた。内壁のある一点を擦られたとき、中原の身体はびくんと跳ねた。
「うん、ここだね」
柏木が満足そうに言うと、集中的にそこを攻めてきた。
「……だ、だめっ…動かさないでっ…やっ…」
粘膜を押され擦られるたびに、熱く切ない疼きが次々に押し寄せてきて、中原の上半身はまな板の上に震えながら崩れ落ちた。
不恰好に切れた胡瓜がひとつ、コロンと床に転がっていった。
続きを読む
目次へ戻る
中原は男性にしては少し白すぎる足をそっと絨毯の上に下ろし、上質なコットンのパジャマを纏ったしなやかな身体に、薄手のガウンを羽織ると、階下へ降りていった。
キッチンから明かりが漏れていた。
この家のほとんどの部屋は格調高いヨーロピアン調でまとめてあったが、このキッチンだけは別で、ステンレスと光沢のある白いシステムキッチンがシンプルモダンな印象を放っていた。キッチンの主は柏木晃彦で、中原の勤務先の担当顧客であり、今は大事な恋人でもあった。
身近で過ごしてみて初めて知ったのだが、彼の趣味はなんと料理だった。柏木は今、一心不乱にコンロに向かっていた。
長身で均整のとれた体躯を持つ柏木が、ブルーのパジャマの上に白い大きなエプロンをかけているのが微笑ましい。
思わず、ぷぷっと吹き出してしまい、柏木に覗き見がばれてしまった。端正な顔の切れ長の目にじろっと睨まれる。
中原は慌てて柏木の傍へ行くと聞いた。
「今日はお休みだって、おっしゃってませんでしたっけ」
「休みだからだよ。君も今日は休みだろう。たまには二人で、どこかへ出掛けないか」
「……え」
「お弁当持って」
中原の心から、じんわりと喜びが沸いてきた。
2ヶ月ほど前にある事件があって以来、中原は週の半分ほどを柏木邸で過ごす様になっていた。
事件があった当初は、心配する柏木に危うく監禁されるところだったが、少なくとも週の半分は柏木邸で眠ること、警備会社の端末を持つこと、定期的に柏木の携帯に連絡を入れることで、何とか納得してもらい、中原も通常の生活に戻っていた。
しかし何だか心が強くなったようで、痴漢にはきちんと声を上げて拒否の意思表示ができたし、事件の後の好奇に満ちた視線の中でも、毅然とした態度で仕事に取り組むことができた。
それにしても、こうして改めて傍で過ごしてみると、さすが起業家というべきか、柏木のバイタリティは尋常ではなかった。
夜、中原が眠りにつく頃は、必ずまだ書斎で仕事をしていたし、朝は朝で5時には起きてきちんとした和食の朝食を自分で作って摂ると、おそらく社員の誰よりも早く出社していった。さすがに食品の買出しと掃除はメイドサービスを入れていたが、おそらく時間が許せば、家事の全てを完璧にこなしていたに違いない。
そんな慌ただしい生活の中で、中原自身も勤めていることもあって、夜はともかく昼間の時間を二人でゆっくり過ごすことができるのは、今日が初めてかもしれなかった。
どうしよう。凄く嬉しい。
中原は料理を続ける柏木の背中にぺたりと張り付き、後ろから腰に手を回した。柏木の手が中原の手の上に重ねられる。
手のぬくもりから、何も言わなくても心が伝わってくるようだった。
「僕にも何か手伝わせてください」
中原が言うと柏木の手がぴくっと動いた。考え込むようにしばらく動きが止まる。
僕は何かいけないことを言ったのだろうか。
あまりの沈黙の長さに中原が不安になり始めたとき、柏木がくるりと振り向いた。
「手伝うからには、まずエプロンをつけないといけないね」
そして自分のエプロンを脱ぐと、中原に向き直って首を振った。
「その格好じゃ駄目だね」
「……柏木さんもパジャマですけど」
「君にはこっちの方が似合うよ」
言うなり柏木は、中原に飛び掛ってきて、ガウンを剥ぎ取りパジャマを脱がせて下着に手を掛け、あっという間に一糸まとわぬ姿にしてしまった。
「……い、いい、いきなり、なんなんですか」
中原は真っ赤になって、腕で身体を隠してタイル張りの床に蹲った。
柏木は冷静にリモコンを操作してエアコンの温度を上げ、中原の前にばさりと先ほど脱いだエプロンを投げた。
「さ、これをつけてね」
まな板の上の胡瓜が、ごつっとまた斜めに切れた。
「……も、やめ……」
「だめだめ、手伝ってくれるんだろう。ほら、早く、胡瓜切って」
柏木の声は、中原の足の間から聞こえていた。
キッチンの扉に背中を預けて床に座っている柏木の腿をまたいで足を開き、中原は裸に白いエプロン一枚をだけをつけた恥ずかしい姿で立っていた。エプロンの前部は柏木の頭の形に丸く膨らみ、ゆっくり揺れている。
柏木の唇と舌で敏感な先端を集中的に嬲られ、中原は包丁を持つ手をぶるぶると震わせた。すっかり立ち上がった茎から、先走りのしずくが垂れ、柏木のパジャマの胸元にぽつりと丸い染みを作った。
柏木の手がエプロンの中を肌を伝って上ってきて、指が中原の胸部の敏感な粒を押しつぶす。
「……あ、だめっ」
左右同時に摘まんで擦るように弄られ、掌で大きな円を描くように刺激されると、身体の中を熱い波が駆け抜けて、中原は身を捩り呻いた。
「……胡瓜は切れたかい」
「やっ……、も、もう、無理っ……」
「しょうがないな。じゃあその代わりに……」
柏木の手がまな板の上に伸びてきて、まだ切られていない一本の胡瓜を掴んで行った。
「……ひゃっ」
中原は、突然後孔に冷たい感触を感じて身震いした。そのまま、ぐいっと中に押し込まれる。
「な、何、挿れて……」
胡瓜が何かを探すように、グネグネと動かされた。内壁のある一点を擦られたとき、中原の身体はびくんと跳ねた。
「うん、ここだね」
柏木が満足そうに言うと、集中的にそこを攻めてきた。
「……だ、だめっ…動かさないでっ…やっ…」
粘膜を押され擦られるたびに、熱く切ない疼きが次々に押し寄せてきて、中原の上半身はまな板の上に震えながら崩れ落ちた。
不恰好に切れた胡瓜がひとつ、コロンと床に転がっていった。
続きを読む
目次へ戻る
| ホーム |
