いったい、どれほどの時間が過ぎたのだろうか。
中原悠司は、身体を曲げられ組み敷かれて揺すぶられながら、信じられない思いで、自分を穿つ男の顔を見ていた。
柏木晃彦……それがこの男の名だった。
若干33歳にして、年商数十億を誇る会社社長。しかもその地位は、親の七光りではなく、すべて自分自身の力で築き上げたものだ。
中原の勤める百貨店の外商部の顧客の中でも、彼はトップクラスの売上を記録していた。
それだけでなく、先祖代々の余り金で遊んでいる連中や、中小企業の品のない成金達の間にあって、柏木の存在は際立っていた。
着られてしまう人が多い高級メゾンの品を、そのルックスと長身の引き締まった体で難なく日常着のように着こなし、どんな格の高い品だろうとこの男の傍にあると、ただの下僕になった。
柏木が外商部を訪れると、中原の目はいつもひとりでに彼を追った。
そんな柏木の担当外商員を命じられたとき、中原は本当に驚いた。まだ入社4年目で26歳の中原の担当顧客にしては、大物過ぎたからだ。反面、尊敬と憧れを抱いていた柏木の傍にいける嬉しさを感じていた。
そう、今日までは……。
中原の目からとうとう涙が零れ落ちた。
「……うっ………く…」
嗚咽が漏れたが、息すら満足につける状態ではない。中原の口には柏木のネクタイがくい込んでいた。イタリア製らしい洗練させたプリントのシルクだったが、今ではどろどろに唾液を含み、散々噛み締められて、ただの太い紐に成り下がっている。
柏木は下衣の前だけを開けて行為に及んでいた。彼のノーブルな雰囲気や品の良さは、こんな時でもまったく損なわれていなかった。胸元を乱したシャツまでも、まるで計算させた着こなしのようだ。腕には、今日、中原が納品したばかりのスイス時計メーカーの最高ランクの品が、ダイヤの光を放っている。また、それが嫌味な位に似合っていた。
真面目で面白味が無いと女子社員にいつもからかわれる僕なんかと違って、黙って立っているだけで抱いて欲しがる女が群がってくるタイプの男だろう。
それなのに、何故、何故なんだ。
どうして、こんなことする必要があるんだ。
中原はワイシャツ姿のまま縛られ足を大きく開かされている自分が、ますます惨めになった。
眦に溜まった中原の涙が、柏木の動きに合わせて宙に舞う。おそらくアンティークであろう天蓋付きのべッドに敷かれた、部屋全体のトーンからコーディネートされた趣味のいいグリーン系のシーツは体液と潤滑油で濡れ、大きく皺を波打たせていた。紐で後ろ手に縛られている中原の腕が皺を潰し、また新しい峰を作り出していく。
男の楔を飲み込んでいる後孔は、初めて入れられたときの衝撃が嘘の様に緩んで、ぐちゃぐちゃと淫猥な音を立てていた。肉棒の出入りのたびに、粘膜がめくれ上がるのが分かる。内壁を擦って、突き上げられるたび、叩かれる様な衝撃が走る。
痛い。痛くて、熱い。
足首を握っている手に力が入り、足が、膝が顔の横に触れそうなくらいに折り曲げられる。柏木は小さく息を吐くと、眉間にかすかにしわを寄せ、後孔を穿つリズムのスピードをあげた。そして、突然動きを止めると一際深くきつく突き入れてきた。男の腰がぎゅっと押し付けられ、中原は奥にじわっと熱い飛沫が広がったのを感じる。身体が、無意識にひくりと痙攣した。
その瞬間中原は、同性に射精された屈辱より、むしろ、これでやっと解放されるという安堵感を覚えていた。
柏木が、ゆっくりと目を開けて、中原の瞳を見つめた。
冷たい目だ。怖い。まるで蛇だ。何も見ていないようでいて、何もかも知っているような目だ。一度、その目の中に入ってしまったら、締め付けられて、二度と出られないのではないか。
唇がそっと耳元に寄せられた。
「素敵だったよ。君の中は……。まるで吸い付くように、絡んできた」
信じられない。
恥辱のあまり、かっと目の前が赤くなった。なにか言おうにも、口から出てきたのはくぐもった呻き声だけだった。身じろぎして、身体に力が入る。
「おやおや、また物欲しげに締め付けてきたね」
柏木は喉の奥で笑った。
「まだ、たった一回……だものね…」
今度は君をたっぷり、達かせてあげる……。
涙を掬い取った唇で吐息交じりに囁かれて、中原は悪寒と恐怖が入り混じった身震いをした。
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中原悠司は、身体を曲げられ組み敷かれて揺すぶられながら、信じられない思いで、自分を穿つ男の顔を見ていた。
柏木晃彦……それがこの男の名だった。
若干33歳にして、年商数十億を誇る会社社長。しかもその地位は、親の七光りではなく、すべて自分自身の力で築き上げたものだ。
中原の勤める百貨店の外商部の顧客の中でも、彼はトップクラスの売上を記録していた。
それだけでなく、先祖代々の余り金で遊んでいる連中や、中小企業の品のない成金達の間にあって、柏木の存在は際立っていた。
着られてしまう人が多い高級メゾンの品を、そのルックスと長身の引き締まった体で難なく日常着のように着こなし、どんな格の高い品だろうとこの男の傍にあると、ただの下僕になった。
柏木が外商部を訪れると、中原の目はいつもひとりでに彼を追った。
そんな柏木の担当外商員を命じられたとき、中原は本当に驚いた。まだ入社4年目で26歳の中原の担当顧客にしては、大物過ぎたからだ。反面、尊敬と憧れを抱いていた柏木の傍にいける嬉しさを感じていた。
そう、今日までは……。
中原の目からとうとう涙が零れ落ちた。
「……うっ………く…」
嗚咽が漏れたが、息すら満足につける状態ではない。中原の口には柏木のネクタイがくい込んでいた。イタリア製らしい洗練させたプリントのシルクだったが、今ではどろどろに唾液を含み、散々噛み締められて、ただの太い紐に成り下がっている。
柏木は下衣の前だけを開けて行為に及んでいた。彼のノーブルな雰囲気や品の良さは、こんな時でもまったく損なわれていなかった。胸元を乱したシャツまでも、まるで計算させた着こなしのようだ。腕には、今日、中原が納品したばかりのスイス時計メーカーの最高ランクの品が、ダイヤの光を放っている。また、それが嫌味な位に似合っていた。
真面目で面白味が無いと女子社員にいつもからかわれる僕なんかと違って、黙って立っているだけで抱いて欲しがる女が群がってくるタイプの男だろう。
それなのに、何故、何故なんだ。
どうして、こんなことする必要があるんだ。
中原はワイシャツ姿のまま縛られ足を大きく開かされている自分が、ますます惨めになった。
眦に溜まった中原の涙が、柏木の動きに合わせて宙に舞う。おそらくアンティークであろう天蓋付きのべッドに敷かれた、部屋全体のトーンからコーディネートされた趣味のいいグリーン系のシーツは体液と潤滑油で濡れ、大きく皺を波打たせていた。紐で後ろ手に縛られている中原の腕が皺を潰し、また新しい峰を作り出していく。
男の楔を飲み込んでいる後孔は、初めて入れられたときの衝撃が嘘の様に緩んで、ぐちゃぐちゃと淫猥な音を立てていた。肉棒の出入りのたびに、粘膜がめくれ上がるのが分かる。内壁を擦って、突き上げられるたび、叩かれる様な衝撃が走る。
痛い。痛くて、熱い。
足首を握っている手に力が入り、足が、膝が顔の横に触れそうなくらいに折り曲げられる。柏木は小さく息を吐くと、眉間にかすかにしわを寄せ、後孔を穿つリズムのスピードをあげた。そして、突然動きを止めると一際深くきつく突き入れてきた。男の腰がぎゅっと押し付けられ、中原は奥にじわっと熱い飛沫が広がったのを感じる。身体が、無意識にひくりと痙攣した。
その瞬間中原は、同性に射精された屈辱より、むしろ、これでやっと解放されるという安堵感を覚えていた。
柏木が、ゆっくりと目を開けて、中原の瞳を見つめた。
冷たい目だ。怖い。まるで蛇だ。何も見ていないようでいて、何もかも知っているような目だ。一度、その目の中に入ってしまったら、締め付けられて、二度と出られないのではないか。
唇がそっと耳元に寄せられた。
「素敵だったよ。君の中は……。まるで吸い付くように、絡んできた」
信じられない。
恥辱のあまり、かっと目の前が赤くなった。なにか言おうにも、口から出てきたのはくぐもった呻き声だけだった。身じろぎして、身体に力が入る。
「おやおや、また物欲しげに締め付けてきたね」
柏木は喉の奥で笑った。
「まだ、たった一回……だものね…」
今度は君をたっぷり、達かせてあげる……。
涙を掬い取った唇で吐息交じりに囁かれて、中原は悪寒と恐怖が入り混じった身震いをした。
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